Bande dessinée(バンド・デシネ)は、ご存知ですか?

フランス生活

Bonjour!マコマコです。
今回は、以前に書いたこちらの記事に登場したBande dessinée(バンド・デシネ)について書いていきます。今回は、文字多めの内容です。


まずは、単刀直入に「Bande dessinée(バンド・デシネ)」という言葉を聞いたことがありますか?

Bande dessinéeは、フランスやベルギーで発展した**「フランコ・ベルギー漫画」**のことを指し、フランスでは非常に高い人気を誇る芸術文化です。
日本では「Bande dessinée」という言葉自体はあまり馴染みがないかもしれませんが、フランスでは老若男女を問わず楽しめる娯楽として親しまれています。

日本の漫画と同様に、さまざまなジャンルがあり、子供向けの冒険物語から大人向けの哲学的な作品まで多彩な作品が揃っています。Bande dessinéeは、ストーリーの深さと美しいアートワークが特徴であり、家族みんなで楽しめるメディアとしても人気です。


1.代表的なBande dessinée作品の紹介

Bande dessinéeには、フランスや世界中で愛されている名作が数多くあります。
ここでは、2つの代表作をご紹介します。

『タンタンの冒険(Les Aventures de Tintin)』
世界的に有名なこのシリーズは、1930年代にベルギーの漫画家エルジェによって生み出されました。探検家タンタンが世界中を旅し、様々な冒険を繰り広げる物語です。子供から大人まで楽しめる内容であり、ユーモアとスリルが満載の作品です。

『アステリックス(Astérix)』
もう一つの人気作は、フランスの国民的キャラクター、アステリックスの冒険です。ローマ帝国と戦う小さなガリア村の物語で、歴史的背景とユーモラスなキャラクター描写が特徴です。この作品も子供から大人まで幅広く楽しまれています。


左:タンタンの冒険 右:アステリックス
どちらもインターネット検索すると、「あー、あれね!」となると思います。


2.Bande dessinéeのアートとストーリーテリング

Bande dessinéeの最大の特徴の一つは、その美しいアートワークです。
日本の漫画と比べて、Bande dessinéeはページ全体をフルカラーで描くことが一般的です。精密な背景や細やかなキャラクターデザインが、ストーリーの世界観を豊かに表現しています。

ストーリーの進行も独特で、シリアスなテーマから日常のユーモアまで様々です。
感情豊かなキャラクターや複雑なプロットが多く、ただ読むだけでなく、深く考えさせられる作品も少なくありません。こうした要素は、アートが好きな人やストーリー重視の読者にとっても非常に魅力的です。


3.日本の漫画との違い

日本の漫画とBande dessinéeには、いくつかの重要な違いがあります。

  • コマ割りと色彩:日本の漫画は基本的にモノクロで描かれることが多いですが、Bande dessinéeはフルカラーの作品が主流です。また、コマ割りは大きめで、ページ全体を大きく使うことが一般的です。
  • 物語の進行:日本の漫画が細かいエピソードで進行するのに対して、Bande dessinéeは一冊の中で完結するストーリーが多いです。
  • 読者層の広さ:日本の漫画も幅広い年齢層に向けた作品がありますが、Bande dessinéeは特に大人向けの作品が多く、芸術性や哲学的なテーマを扱うことが一般的です。

4.フランスにおけるバンド・デシネの文化的な位置

フランスでは、Bande dessinéeは単なる娯楽ではなく、**「Le Neuvième Art(9番目の芸術)」**として非常に高く評価されています。Bande dessinéeのフェスティバルが毎年開催され、多くの人が集まります。また、フランスの書店にはBande dessinée専用のコーナーが設けられていて、その文化的影響は非常に大きいです。


書店のBande dessinée専用コーナーの様子

このように、フランスの日常生活や文化に深く根付いているBande dessinéeは、現地の人々にとって大切な娯楽の一部です。

ちなみに気になった方は多くいるでしょうが、フランスでは、伝統的に次の7つの芸術が認識されています。

①音楽、②舞踏、③演劇、④文学、⑤絵画、⑥彫刻、⑦建築、⑧???、
⑨Bande dessinée

8番目の芸術は?!
フランスの文脈では、Bande dessinéeが「9番目の芸術」とされる前提として、「8番目の芸術」は主に「写真」や「映像」と考えられることが多いそうです(確立はされていない)。
面白いですよね、Bande dessinéeの芸術的な地位を強調するために「9番目の芸術」という表現が使われているそうです。


5.日本でBande dessinéeを楽しむ方法

日本でもBande dessinéeを楽しむことができます。
近年、日本語に翻訳されたBande dessinée作品が増え、オンライン書店や実店舗で購入することができます。また、電子書籍としても手軽に入手できる作品が増えてきています。

おすすめの作品としては、先述の「タンタンの冒険」や「アステリックス」があり、これらは翻訳版も多く出版されています。特に、子供と一緒に楽しめる作品として人気が高いです。


これ何だか分かりますか?お酒にフォーカスしたBande dessinéeもあります。

WHISKY SAN、日本のウイスキーの父と称される竹鶴政孝(たけつる まさたか)さんにフォーカスした内容です。NHKの連続テレビ小説「マッサン」のモデルにもなりました。
竹鶴は、スコットランドでウイスキー作りを学び、日本に帰国後、ニッカウヰスキー(Nikka Whisky)を設立しました。竹鶴は、日本で本格的なウイスキー製造を開始した先駆者であり、その品質は世界的にも高く評価されています。彼が開発した「竹鶴」という名前のウイスキーは、彼の情熱と技術を象徴するブランドです


6.まとめ

Bande dessinéeは、フランスやベルギーで育まれた独自の漫画文化であり、その魅力は美しいアート深いストーリーテリングにあります。家族で楽しめる作品から、アートに興味を持つ大人向けの作品まで、多様なジャンルが揃っていて、どの世代にも響く魅力があります。

日本でも手軽に楽しめるようになってきているので、
興味がある方はぜひ、フランス9番目の芸術・Bande dessinéeの世界に足を踏み入れてみてください!

最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。

À bientôt✋

📝マコマコ