黄金の畑、収穫を終えたブルゴーニュから — そして日本への一時帰国

フランス生活

Bonjour!マコマコです。

9月の Vendanges(ヴァンダンジュ/ぶどう収穫)を終えて、Domaine の方はひと息ついたところです。怒涛のような数週間が過ぎ、セラーの中ではいま、収穫したワインがゆっくりと発酵を続けています。

外の畑は静まり返り、あの賑やかな日々が少し遠い昔のようにも感じられます。


🍇 畑が黄金色に染まる季節

久しぶりに畑を訪ねてみると、驚くほどの変化がありました。
緑だった葉はすっかり色を変え、まるで金色の絨毯のように一面が輝いていました。

手前の畑は近くて分りにくいですが、遠くの畑は黄金色になっています。

近づくと、ほら✋


秋になると、ぶどうの葉が黄やオレンジに染まり、まるで丘全体が黄金色に輝くよう。

ブルゴーニュ ―― 特に Côte d’Or(コート・ドール)と呼ばれる地域は、
その名の通り「黄金の丘」と称えられる美しい風景で知られています。

フランス語で 「Côte(コート)」は丘、「Or(オール)」は金色を意味し、秋に輝くブドウ畑の色から“黄金の丘”と呼ばれるようにり、
この時期の畑を見ていると、「なるほど、これが“黄金の丘”の由来か」と自然に納得してしまいます。


日差しを受けてキラキラと光るぶどうの葉。
遠くの斜面まで続く黄金色のグラデーション。
ほんの少し風が吹くたび、葉がサラサラと音を立てて、季節の終わりをやさしく告げていました。

畑によってはまだ緑色の葉をたくわえた場所もあります。
これは斜面の向きによる日照量の違いです。


💡ミニ知識:Côte d’Or(コート・ドール)ってどこ?

Côte d’Or(コート・ドール)という言葉には、実は2つの意味があります。

ひとつは行政区画としての「コート=ドール県(Département de la Côte-d’Or)」
県庁所在地は Dijon(ディジョン)で、ブルゴーニュ地方の中部に位置します。


もうひとつは、ワイン産地としての「Côte d’Or」
北は Dijon(ディジョン)から、南は Santenay(サントネー)まで60kmほど続く丘陵地帯で、秋になるとぶどう畑が黄金色に染まることから、黄金の丘(Côte d’Or)と呼ばれています。

この一帯はさらに、

Côte de Nuits(コート・ド・ニュイ):赤ワインの名産地(ピノ・ノワール)

Côte de Beaune(コート・ド・ボーヌ):白ワインの名産地(シャルドネ)

に分かれていて、世界でも指折りの銘醸地として知られています🍷

ちなみに、私の住む Mâcon(マコン)はブルゴーニュの最南端に位置。
Mâconから見て北に広がる“黄金の丘” ――それが Côte d’Or です。


🍷 収穫を終えたあとの“静かな時間”

Vendanges が終わると、Domane では束の間の「お休みタイム」に入ります。

もちろん、Cave(セラー)では発酵や管理の作業が続き、農場主たちは完全には気が抜けません。

それでも、交代で休暇を取ったり、他のワイナリーを訪ねたりと、それぞれがリフレッシュの時間を過ごす大切な時期です。

11月下旬には、冬の畑仕事 ―― Taille(剪定)やブドウの樹をチェックし必用に応じて苗木の定植作業が本格的に始まります。

それまでの間は、畑も人も、次の季節に向けた小休止。
ワインが静かに熟成していくように、私たちも身体と心を休ませます。


✈️ 日本へ一時帰国します

そしてこのタイミングで、私たち夫婦もずっと計画していた日本への一時帰国をすることになりました。


私は少し早めに出発し、今回はフィンランドのヘルシンキ経由で東京・羽田へ向かいます。
妻とは2週間後に東京で再会。

今回はパリから飛行機に乗ります。
写真がぶれていますが、途中なんか見たことある景色と思ったら、電車はブルゴーニュを走っていました🚆遠くに、Côte d’Or が見えます👀


ヘルシンキでのトランジットは19時間。
実は『※かもめ食堂という映画を観て以来、ずっとヘルシンキに行ってみたかったんです。
北欧の静けさや、丁寧な暮らしの空気に触れられるのも楽しみのひとつ。

その後は、久しぶりの日本。到着してからは、家族や友人、懐かしい味、言葉…
どんな出会いや再会が待っているのか、今からワクワクしています。

※ フィンランドの首都ヘルシンキで日本人女性が営む小さな食堂が舞台。コーヒーとシナモンロール、看板メニューの「おにぎり」をきっかけに、個性豊かな人々とのほのぼのとした交流が始まります。北欧のシンプルで心地よい暮らしと、温かい食が魅力的な映画です。


🍂 ブログも少しお休み、そして熟成期間へ

一時帰国中は、ブログの更新もお休みをいただきます。

けれどその間も、日々の体験や出会いを“ワインのように熟成”させながら、
また新しい記事を書けるように、準備をしていきたいと思います。
次に更新するときは、きっとまた一段と深みのある内容に・・・できたらいいな♬

それでは、また次回もお楽しみに♪

À bientôt✋

📝マコマコ