Vendanges のつづき 今度は白ワイン

Mâcon

Bonjour!マコマコです。
天気も快復し、いよいよ白ワイン用のChardonnay(シャルドネ)を収穫していきます。


何だかメンバーが入れ替わったな・・・。

ここ1週間は晴れとのこと、最高の収穫日よりが続きそうです。
というのも、雨になると、収穫特に雨水が混じってしまいワインを醸造する際に糖度が下がり、醸造が難しくなってしまのです。


(右)この黄色みがかった感じの色がまさに良い収穫適期のワインブドウ。
(左)糖度計の値も 20°Brix(ブリックス)を超えて適期を示し、いざ収穫です。

朝の8時。見てください、この朝陽とキレイなブドウ畑を。
マコマコ☆彡スターモード☆彡です♬

この日から、7日間、Vendangesのペアを組むPatricia。
フランスとベルギーの国境の町Dunkerque出身で、ずっと看護師をされていたそう。
「あなたが怪我をしたら、私がいつでも治してあげるわ!」と、いつも陽気です。


Porteursの姿に変化が

この日、Porteurs(収穫したブドウを運ぶ人)の格好が、前回収穫したCrémant(クレモン)の時と少し違いました。

後ろに何やらバケツのようなものを背負っています。
そしてトラクターの仕様も変わっています。

聞けば、Crémantをつくる際には決められた製法でつくらねばならず、手で収穫したブドウを専用のバケツに入れたもので仕込まなければならないそうです。

今回の白ワインづくりは、Porteursが畝間を歩き、そこに収穫したブドウを入れていきます。

そして、バケツに一定数のブドウがたまるとPorteursは、トラクターに向かってダイブ!これ一度やらせてもらいましたが、見た目以上に、すっごい大変です!

スローモーション映像がこちら

幸運のシンボル Coccinelle(コクシネル・テントウムシ)が、応援にきてくれました。


テントウムシは、フランスを含む多くの国で「幸運の象徴」として広く親しまれています。テントウムシが体に止まると幸運が訪れるという言い伝えがあり、また、庭や畑で害虫を食べてくれる益虫としても大切にされています。


自然の中で仲間と働く幸せ

作業は大変ですが、仲間と一緒に働くことでお互い支え合って働きます。嬉しいことは、日の出と共に作業を始めるので、ブドウ畑からとってもキレイな日の出が見れることです。また、作業が終わった時の達成感は、一塩です。

Château(シャトー・お城)の間からご来光。これはめちゃくちゃテンションあがります。

こちらは、Jean Manciatのお父さんが植えたワインブドウ畑。

80年の歴史を持つブドウ畑で間の支柱も木で出来ています。

鳥の巣を発見!もう雛は巣立ったようなので、代わりにブドウの実を入れてみました。

休憩中の様子。午前中に一回、午後に一回、コーヒータイムがあります。
甘いお菓子も配られ、疲れた身体にしみます。

遠い畑となると戻ってくるのが大変なので、ピクニックランチをします。
ワインブドウに囲まれてのランチは幸せなひと時です。

ある日のお弁当。炊き込みご飯+野菜です。
日本のランチボックスに興味津々。


ここで醸造の話を少し

今回、お世話になっている Domaine Jean Manciat では、全房発酵によりワインをつくっています。「全房発酵」?ブドウの実だけでワインを仕込むか、房も入れてワインを仕込むかです。

プレス機に入れる前のシャルドネ。

プレスが終わりブドウジュースを取った後のシャルドネ。

「除梗(じょこう)」と「全房(ぜんぼう)」は、ぶどうの房の扱いに関する重要な選択肢です。これらの作り方の違いは、ワインの風味、質感、熟成に大きな影響を与えます。それぞれについて説明します。

○ 除梗(じょこう)
ぶどうの実を収穫した後、房から梗(こう、茎の部分)を取り除いてワインを仕込む方法です。除梗機を使って、果実のみを発酵させます。梗には多くのタンニンや青っぽい風味が含まれているため、それを除くことでワインによりフレッシュで果実味豊かな風味を与えることができます。果実の純粋な味わいを引き出したい場合や、フレッシュなワインを目指す場合に選ばれます。ピノ・ノワールやメルローなど、繊細なぶどう品種でよく使われます。

全房(ぜんぼう)
梗を取り除かず、ぶどうの房全体をそのまま発酵させる方法です。ぶどうの房を潰さずに、自然に発酵が始まります(これを「カーボニック・マセレーション(炭酸ガス浸漬法)」と呼ぶ場合もあります)。梗の風味やタンニンをワインに取り入れ、独特の構造や風味を与えるためです。また、ゆっくりと果実が潰れて発酵することで、ユニークなフレーバーが生まれます。
ワインに複雑さとタンニンの構造を加えたい場合に選ばれます。シラーやグルナッシュ、または特定の高級ピノ・ノワールなど、風味や力強さを求める品種やスタイルに適しています。

  • 除梗のワインは、果実味が強調され、早くから楽しめる傾向があります。柔らかく、フレッシュで飲みやすいスタイルが特徴です。
  • 全房発酵のワインは、よりしっかりとしたタンニン構造と複雑な風味を持つため、長期熟成に向くことが多いです。スパイスやハーブの香りが増し、複雑さを楽しむことができるため、重厚な赤ワインに使われることがあります。

 このように、「除梗」と「全房」では、ワインの仕上がりやスタイルが大きく変わります。ワイン造りの哲学や、どのようなワインを目指すかによって、それぞれの手法が選ばれています。

プレス機の調整を行うBig BossのJean。

房は、畑に還ります。

今回、収穫したシャルドネ。
白ワインづくりは、収穫から醸造、完成までに約12か月かかるそうです。

ブドウジュースを木樽に入れて熟成させていきます。

木樽の選択は、木樽に使用されるオーク(樫の木)の違いにより、ワインの風味や質感に大きな影響を与えるため、その選択は非常に重要です。木樽は、バニラ、ナッツ、スパイス、そして繊細なトースト香など、より控えめで洗練された風味をワインに与えます。タンニンの影響を緩やかにし、ワインにまろやかさを加え、長期熟成を助けます。
また、木樽のオークの焼き加減により、フルーツ風味の調整、バニラやスパイスの香りを強調、良く焼いたオークの木樽にいたっては、強いスモーキーな風味やカラメルのような甘みを加えることができます。
また、新樽 vs. 旧樽 という言葉があり、 新しい樽はワインに強い風味を与えるのに対し、数回使われた樽は風味が徐々に弱まり、より繊細な効果をもたらします。
また、木樽のサイズが小さい樽ほどワインとオークの接触面積が広くなるため、風味の影響が強くなります。逆に大きい樽では影響が緩やかです。

ブドウ×木樽の選択によりワインの味は何通りにも変わるのです。深い!

この日、Jeanから、今、仕込み真っ最中のCrémantの途中経過を試飲させてもらいました。
スパークリングワイン用に使用するシャルドネは、白ワインよりも少し低い糖度で収穫するのですが、それでも十分に甘い。これからアルコールを醸し、仕上げに入っていくそうです。



後で知ったことですが、こちらの Domaineでは、今年から「Biodynamie(バイオダイナミー) ビオディナミ農法にチャレンジしています。兼ねてから、Jeanが環境に配慮した農業を考えていて、息子のQuentinがやろう!と決めたそうです。
ビオディナミ農法は、自然や宇宙のリズムに従い、環境に配慮した農業を行う手法で、オーストリアのルドルフ・シュタイナー博士が提唱しました。
「500P」や「Biodynamie」と、記事にしたいことがあるのですが、またの機会にしたいと思います。

Vendangesは、来週まで続いていくようです。
引き続き、身体に気をつながら、張り切っていきたいと思います!

À bientôt✋