Bonjour!マコマコです。
フランスを歩いていると、時折、本が詰まった小さなボックスを見かけます。
教会の前や公園の一角、通り沿いなど、思いがけない場所に設置されているのが「boîte à livres」(ブワット・ア・リーヴル)です。
これは、誰でも自由に本を取ったり、寄付したりできる本の交換ボックスです。
今回は、その成り立ちやフランス社会における役割についてご紹介します。
町中の公園にboîte à livresがあります
1.Boîte à Livres の成り立ち
Boîte à livres のアイデアは、2000年代初頭に始まりました。元々は「小さな図書館」や「街の書架」という形で、市民が自由に本を交換できる場として考案されました。アメリカの「Little Free Library」運動が世界的に広まった影響もあり、フランスでは特に地域コミュニティや文化活動の一環としてこの運動が定着したそうです。
初めは自治体や文化団体が設置したものが多かったのですが、徐々に個人や地元の団体が自発的に設置する例も増え、現在では都市部から田舎まで幅広く見られます。
2.フランス文化における Boîte à Livres の役割
フランスは読書文化が根付いている国で、文学や知識の共有が重要視されています。
Boîte à livresは、その文化の一環として、地域社会内で本を通じた交流や学びを促進しています。また、本屋に足を運ぶ機会が少ない人や、新しい本を買う余裕がない人々にとっても、無料で本にアクセスできるすごい仕組みです。
これにより、地域社会内での知識の共有や人々のコミュニケーションの場が広がり、特にフランスの田舎町や村では、文化的な接点を提供する大切な存在となっています。
公園の中のBoîte à livres
3.Boîte à Livres の効果と評価
この取組は、フランス国内外で非常に高く評価されています。特に次のような効果が挙げられます。
- 持続可能性の推進:リサイクル文化を促進し、不要になった本を有効活用する仕組みとして、環境保護の観点からも注目されています。
- 地域コミュニティの結束:本を通じて新たな出会いが生まれ、地元の人々が互いに支え合う関係が深まります。
- 知識の共有:様々なジャンルの本が交換されるため、幅広い年齢層や背景の人々が新しい知識に触れる機会を得られます。
その一方で、管理の問題や一部のボックスが荒らされるといった課題もあります。
しかし、多くの場合、地域住民による自主的な管理が行われており、この取り組みは成功を収め続けています。
4.Boîte à Livres との出会い
私が初めて Boîte à livres に出会ったのは、在住の Charnay-lès-Mâcon を妻と散歩している時でした。教会の前に置かれた小さな木製のボックスの中には、文学から旅行ガイドまで、様々なジャンルの本が収められていました。その後も、街中や田舎町を訪れるたびに、様々な場所でこれらのボックスを見かけ、地域の人々が大切に管理していることがわかりました。
Boîte à livres は、単なる本の交換場ではなく、フランスの文化と地域コミュニティを象徴する存在です。フランスを訪れた際に見つけたら、ぜひ一度覗いてみてください。
そして、もし不要になった本があれば、その場所に寄付することで、次の読者に新たな出会いを提供してみてはいかがでしょうか。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
À bientôt✋
📝マコマコ