立春は過ぎたけど・・・新しい仕事は支柱交換と筋トレ

2025年

やっー!鬼のような形相の、Bonjour!マコマコです。
日本は立春が過ぎ、暦の上では春の始まりですね。


ここMâconは、まだまだ寒いですが、少しずつ日の出が早くなってきました。仕事を始める午前8時には、かなり明るくなりました。やったー!

Big BossのJeanが、お父さんと一緒に1983年に植えたというワインブドウと朝陽。
めちゃくちゃキレイです。

Domaineでの仕事も1月が終わり、2月も様々な作業が続きます。

前回の記事 で書きました、ぶどうの剪定枝を集める作業もおおよそ7割が完了したそうです。こちらのDomaineでは、9haのぶどう畑を持っているそうで、順調に進んでいるようです💪

ハードな作業に頑丈な手袋がボロボロに。これを機に靴も温かい長靴に替えました。作業効率もあがります⤴

9月に ぶどうの収穫 Vendanges を行った Champgrenon という場所の畑。
教会があったことを鮮明に覚えています。

上の写真は1月、下の写真は9月。同じ場所とは思えないですね。

この地図は Domaineのキッチンにあったものですが、ワインの名前と地名がリンクします。

作業にも大分、慣れてスピードがあがってきました。が、技術はまだまだです😔
左はBig BossのJeanがつくったウッド・カーペット。右はマコマコのウッド・カーペット。
いかに真ん中に寄せて細かくカーペットを敷いていくかで、次のトラクター作業が格段に効率良くなります。

寒い中での作業は大変ですが、終わったときの達成感は一塩です。

そして、

今日から、新しい仕事として、使えなくなったぶどう畑の支柱の交換作業を行っています。

支柱交換の意味と重要性

ぶどう畑の支柱は、ぶどうの木をしっかりと支えるための重要な柱です。ぶどうはツル性の植物のため、適切な支柱とワイヤーがなければうまく成長できません。しかし、支柱は長年の使用によって劣化し、強風や土壌の変化で傾いたり、腐食してしまうこともあります。

劣化した支柱がないか、目視と、手で触って確認していきます。

特に、ワイナリーでは長年の管理が必要なため、定期的な支柱の交換が欠かせません。交換のタイミングは、ぶどうの木が休眠している冬の間が最適とされ、春に向けて整備を進めることで、次の成長期に備えることができます。

実際の作業内容

支柱の交換作業は、単純に見えて意外と重労働です。作業の流れは次のようになります。

支柱にする木を切り加工

Big BossのJeanが職人技で木を加工して行きます!
ぶどう畑の木や金属製のことをフランス語では、“piquet(ピケ)”と言います。発音は可愛いですが、ぶどう達を支える大切な存在です。

○ 古い支柱から釘や金具を外す

支柱についている釘や金具をペンチで抜いていきます。これが意外と頑丈に固定されていて、一つずつ慎重に作業しなければなりません。

テコの原理で、エイヤー!とやっていきます。

○ 地中に埋まった杭の回収

次に、支柱を地面から引き抜く作業です。杭は地中深くまで埋まっているため、ツルハシ⛏を使ってテコの原理で回収します。これが非常に体力を使う作業で、一日中続けていると腕や腰にかなりの負担がかかります。

○ 新しい支柱の設置

取り除いた支柱の代わりに、新しいものを地面にしっかりと固定します。ぶどうの木がしっかりと支えられるように、適切な高さと角度を調整しながら設置していきます。

Big BossのJeanが、新しいpiquetの設置と古いpiquetの回収をしていきます。

筋トレになる農作業!?

もちろん、マコマコはツルハシ担当です!
ツルハシの先端がうまく刺さるとすぐに抜けるのですが、ぶっとい強者は周りを掘らねばならず、キツい作業です。

この作業をしていると、まるでドラゴンボールに出てくる「精神と時の部屋」で修行しているような気分になります。重い杭を引き抜き、ツルハシを振るうことで、自然と筋力がついていくのを実感できます。特に腕と腰の筋肉が鍛えられ、日々の作業をこなすたびに体が慣れていくのが面白いところです。
夜は心地よい疲れとともに良く眠れます。

支柱交換は、単なる農作業ではなく、ワイナリーにとって次のシーズンへ向けた大切な準備でもあります。

ワインを支えるのはぶどうの木であり、そのぶどうの木を支えるのが、まさに今交換している支柱といえます。冬の間にどれだけ準備を整えられるかが、春以降のぶどうの成長に大きく関わってきます。このような地道な作業が、美味しいワインを生み出すための重要なステップなのだと実感しています。

フランス農業の現場で感じること

フランスのワイナリーでの冬仕事を経験して、日本の農業との違いもいくつか感じました。
たとえば、日本では支柱の素材として竹を使うこともありますが、こちらでは主に木製や金属製の支柱が使われています。また、フランスでは労働の分業がしっかりしており、一つの作業に専念することで効率的に進められる印象を受けました。

作業ペアの Emillie。ギター奏者で、昔、日本語で歌詞を書いたことがあるそう!
鬼滅の刃 Demon Slayer の大ファンだそう!

ワイナリーの冬仕事は地味で力仕事が多いですが、ぶどうの木を支え、次のシーズンの良いワインづくりにつながる大切な作業です。体を動かしながら自然の中で働くことで、日々新しい発見があり、フランスの農業の奥深さを感じる毎日です。

ぶどう畑で作業をしていると、農道を散歩やランニングしている方から、“Bon courage ! (ボン・コラージュ)”と、よく声をかけていただきます。励ましや応援の気持ちを伝える際に使う言葉で、「頑張ってねー」的なやつでしょうか。
2月も張り切っていきたいと思います。

カタツムリのような、ブドウの樹も見つけました!毎日が発見です。

最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに♬

À bientôt✋

📝マコマコ