いよいよ本格的な内容に入っていきます。まずは午前の講義、
🏡 午前:Vivre dans la société(社会で生きる)
テーマは「フランスで生活していく上で必要な制度と権利」で、
午前中だけでも7つのテーマが登場しました。
いやいや、もうこのあたりから早くも頭爆発です。英語の通訳さんが、いなければ終わってました。初めてとは思えない、慣れた通訳です。
フランスで暮らす基礎知識編|行政とビザ更新のリアル
まずは「La domiciliation(ラ・ドミシリアシオン/住所登録)」から。
フランスで生活を始めるための基礎中の基礎です。
フランス政府が行う行政手続きの話からスタートし、講師の先生が軽快にパワーポイントを使って、時にはクイズ形式で進行していきます。
「フランスで暮らすために必要なカードはどれでしょう?」と、スクリーンにはいくつかの選択肢が。
IDカード、家族手帳(livret de famille)、運転免許証、税金番号、保険番号などなど。
「全部、必要ですからね!」Oui(ウィ)! ちゃんと全部持ってるよ〜、と心の中でガッツポーズ。
先生は冗談交じりに、「住所がないと何も作れないけど、みんな住所ある?」
と笑わせながらも、フランス生活の現実を突いてきます。
🚗 運転免許の切り替えルールにびっくり
ここで印象的だったのが運転免許証の話。
フランス入国から1年以内であれば、国によっては自国の免許をフランスのものに切り替え可能とのこと。
「1年のうちにフランスの交通ルールに慣れてね」という配慮だそうですが、
この制度を知らずに入国から1年が経ってしまうと、最初から免許を取らないと いけないそうです。
2月27日、OFIIディジョンで受けた面接時 に案内を受けて手続きを済ませていたのでセーフ。
持ってますよ、フランスの運転免許証!またもはガッツポーズ!
🏠 状況が変わったときの「申告」の大切さ
もうひとつ強調されていたのが、状況変更の際の申告義務。
引っ越しした、家族構成が変わった…など、
こうした場合は、Mairie(市役所)や CAF(家族手当・社会保障を管轄する機関)に申告する必要があります。
日本のように「後でまとめて手続き」ではなく、フランスでは即時報告が義務。
うっかり放置していると、給付金の停止や書類の無効など、思わぬトラブルに繋がるそうです。
ビザ更新のルールが変わった!?
続いてのテーマは「Le renouvellement du titre de séjour(滞在許可証の更新)」。
ここで衝撃の情報が飛び出しました。
なんと最近ルールが変わり、フランス語レベルによって滞在許可の有効期限が変わるとのこと。
講師の説明によると、フランス語の国際資格試験 DELF(Diplôme d’études de langue française)など、OFII が認定する試験のレベル別で、
滞在許可の有効期間がこう変わるそうです👇
| フランス語レベル | 滞在許可の有効期間 |
| A1(初級) | 1年 |
| A2(初中級) | 2年 |
| B1(中級) | 4〜10年 |
| B2(上級) | 永住許可レベル |
えっ、A1の マコマコ は毎年更新じゃないですか!?😱
これはなかなか大変…。
講師は「フランス語の上達は社会統合の証だから」と穏やかに言っていましたが、
頭の中では“フランス語=ビザの命綱”という現実がぐるぐる。
ちなみに、永住許可のB2レベルは英語試験でいうと TOEIC785〜900点、英検準1級〜1級相当(あくまで目安です)。
いや、ちょっと待って … それはなかなかの壁。
「千里の道も一歩から」——そう自分に言い聞かせ、
泣きながらでもコツコツ頑張るしかないですね😭
他のトピックも、どんどん進んでいきます。
● La déclaration d’un mariage(婚姻届)
同居、*PACS(パックス)、結婚など、18歳以上で自由な形を認めるフランスならではの仕組み。
*Pacte civil de solidarité(連帯市民協約)
結婚に代わるパートナーシップ制度で、同性・異性問わず2人が共同生活を営むことを法的に認める制度。結婚より手続きが簡単で、税制上のメリットなどもあるそう。
● La déclaration d’un décès(死亡届)
● Les démarches relatives au logement(住居関連の手続き)
公共住宅(logement social)の申請サイト:demande-logement-social.gouv.fr
フランスは慢性的な住宅不足で、家賃が高騰、特に都市部はかなり厳しいとのこと。
☕ 休憩タイム:コーヒーと紅茶の“神対応”
ふー、ここまで約2時間。15分休憩はいります。
コーヒーや紅茶、ウォーターサーバーまで自由に利用OK。フランス行政にしては珍しい(!?)優しさに感動です。

🏥 Santé(健康と医療)
続いてのテーマは、Santé ということで、まずは緊急電話番号の紹介がありました。
📞15 — SAMU(サミュ)
Service d’Aide Médicale Urgenteの略で フランスの緊急医療サービス。急病や事故など、救急車・医療支援が必要なときにかける番号(日本の119に相当)。
👮♂️17 — Police(ポリス)
警察への通報番号。犯罪・暴力・盗難など、身の危険を感じたときに使用。
🔥18 — Pompier(ポンピエ)
消防・救助サービス。火災だけでなく、交通事故や家庭内の緊急事態(転倒・ガス漏れなど)にも対応。
🌍112 — Numéro d’urgence européen(EU共通緊急番号)
EU全域で利用できる共通の緊急番号。フランスでも有効で、どの国でも同じ「112」で警察・消防・救急」につながる。
💬114 — Numéro d’urgence pour les personnes sourdes ou malentendantes
聴覚・発話障がい者のためのSMSやファクスによる緊急通報窓口。24時間対応。
🧠3114 — Ligne nationale de prévention du suicide
フランス全国の精神的危機対応ホットライン。自殺防止やメンタルヘルス支援の専門相談員につながる番号(24時間・無料)。
🩺 フランスの「かかりつけ医」制度 Ameli アプリで登録!
次に 病院にいくときのルールの紹介。
フランスでは、日本のように自由にどの病院にも行けるわけではなく、まず「かかりつけ医(médecin traitant)」を登録する必要があります。
この制度を通して、健康保険(Assurance Maladie)の払い戻し率が上がったり、紹介状なしで専門医にかかる際の制限がなくなったりします。通常、医療費は 政府70%、自己負担30%。
登録は、保険証(Carte Vitale)を持っている場合、*Ameli(アメリ)という公的アプリ・サイトから簡単にできます👇
*Assurance Maladie en ligne 意味は「オンライン健康保険サービス」
🔗 かかりつけ医を選び登録する(ameli.fr公式ページ)
👉 https://www.ameli.fr/assure/droits-demarches/principes/choisir-et-declarer-votre-medecin-traitant
🔗 新しいかかりつけ医を登録するページはこちら
👉 https://www.ameli.fr/assure/adresses-et-contacts/un-changement-de-situation/declarer-un-nouveau-medecin-traitant
Ameli のアプリやサイトでは、かかりつけ医の登録以外にも、
💊 医療費の払い戻し履歴確認
📄 病欠証明の提出
🏥 健康保険証の情報更新
などもできるので、フランス生活では欠かせないツールです。
💼 France Travail(仕事を探す)
午前中、最後のトピックは、フランスの就労制度です。
CPF(Compte Personnel de Formation):職業訓練を受けるための補助金制度
VAE(Validation des Acquis de l’Expérience):1年以上の職業経験を国家資格に換算できる制度
雇用契約の種類として2つあること、
CDD(有期雇用契約):Contrat à durée déterminéeの略で、契約期間があらかじめ定められている雇用形態。ワイナリーなど季節労働(vendange:収穫)でもよく使われます。
CDI(無期雇用契約):Contrat à durée indéterminéeの略で、契約期間の定めがない一般的な正社員雇用。フランスでは「安定した職」の象徴とされています。
フランスでは、労働時間:1日7時間×週5日=35時間で、仕事を見つける際の面接時にはCV(履歴書)と推薦状が必要など、アドバイスがありました。
🏢 La création d’entreprise|フランスで会社を立ち上げるには?
フランスでビジネスを始めるときのアドバイスもありました。重要なのは、次の4つのポイントです。
① どんなビジネスにするか(Quel type d’activité ?)
まず、自分が始めたい事業が 「規制業種(activité réglementée)」 にあたるかどうかを確認します。
フランスの公的サイト service-public.fr 内のページ
🔎 Créer une entreprise – Vérifier si l’activité envisagée est réglementée
(「会社設立 ― 計画中の事業が規制対象か確認する」)で検索できます。
👉 トップページはこちら → https://entreprendre.service-public.fr
② 顧客をどうやって見つけるか(Comment trouver les clients ?)
市場調査を行い、どんな層に需要があるのかを明確に。
フランスではSNSや地域のマルシェ、地元ネットワークでの口コミも大切です。
③ 資金をどうするか(Comment financer son projet ?)
起業支援制度や助成金も豊富。
また、失業者支援機関 France Travail(旧Pôle emploi) でも、起業希望者向けのサポートを受けられます。
④ どこでビジネスをするか(Où exercer son activité ?)
オフィスを借りる?自宅で始める?それともコワーキング?
地域ごとの税制優遇なども異なるため、慎重に選びましょう。
💡豆知識:フランスでは、事業内容ごとに「convention collective(労働協約)」が定められていて、雇用形態や労働条件を左右します。自分の会社にどの協約が適用されるかは、こちらのページ から検索できます。
他には、次の内容についても話がありましたが、かけ足で説明が終わりました。
● Le droit du travail:労働法について
● L’inspection du travail:労働監督・職場のルールチェック機関
● Le travail non déclaré:無申告・非公式の仕事について
🍱 お昼休みのハプニング
12時となり、お昼休憩です。ふー、頭から湯気が出ています。
ここで先生が「13時から始まるわよ!」と。なんと、お昼は30分短縮されて1時間に。さすがに、文句を言っている人がいました。そりゃそうだ、研修会場の住所が違う、弁当持参や、筆記用具のアドバイスもない。もはやこれは情報戦です。
休憩スペースで、つくった🍙弁当を食べていると、同じ参加者から「あなた本当に日本人?イスラムの人かと思った」と言われて爆笑。パスポートを見せて、納得してもらいました。
9月、2つ目に Vendanges をした Domaine でも同じことを言われたなぁ…(笑)→ その時の記事はこちら
午後の講義については、次のページで書いていきます。


