「次はフィンランド経由NG」フランス滞在許可更新中のドッキドキ一時帰国|私が取った対策まとめ

渡仏準備

Bonjour!マコマコです。
日本での一時帰国はあっという間に過ぎ、フランスに戻ってきました。

実は、今回の一時帰国、すったもんだしました ( ゚Д゚)
まさかの フィンランド経由NG宣告、そしてフランスに到着してからは、不審物により予定の電車がキャンセル

なんとか、ほんと〜に なんとか、無事に Mâcon の家まで帰りつきました。

もう最後までドッキドキ、スリル満点のフランス⇔日本の移動、その一部始終と、私が取った対策をご紹介します。


次はフィンランド経由NGです!

5分違いでフィンランド航空が運航する東京羽田行のフライトがあるので注意が必要。

今回の一時帰国は、パリからフィンランドのヘルシンキへ移動し、日本航空(JAL)JL48便を利用して、東京羽田へ向かうルートを選びました。

実はこの航空券、ブドウの収穫 Vendanges 後は仕事が落ち着く時期だと事前に分かっていたため、なんと9か月前の2月に予約していたものです。理由は単純、日系でサービスが評判のJALにもかかわらず、早くから予約したことでリーズナブルな航空券を確保することができました。
ヘルシンキを18時25分に出発し、東京羽田には翌14:40到着と時間帯も良く、結果的にとても気に入りました。

飛行機に搭乗すると「おかえりなさい」とCAさんからご挨拶。もう感動です。
機内食には蕎麦や味噌汁、日本のビールがでたり、前に人がいない足元の広い席が選べたりで、もうJAL LOVEです 🛩

しかし、その前に大問題が・・・、いざヘルシンキ空港に着いてみると、想像以上の混雑に驚かされました。

なんと、同じ時間帯に日本行きの便が3本(成田・羽田・関空)集中していたのです。

ヘルシンキ空港でのチェックイン、セキュリティーチェックまでは比較的スムーズだったものの、その後のシェンゲン圏を出るための出国審査では、見たことのないほどの長蛇の列ができていました。

刻一刻と迫る BOARDING TIME(搭乗時刻)、時間が迫っている人は、特別なゲートから優先的に審査を受けていました。

●シェンゲン条約とは?

1985年にルクセンブルクのシェンゲン村で署名され、1995年に発効したシェンゲン条約は「ヨーロッパの国境を簡略化する仕組み」で、加盟国の間に限り、パスポートコントロールなしで移動できる制度です。
この制度のおかげで、例えばシェンゲン協定に加盟しているフランスからドイツへ、あるいはイタリアからオーストリアへ、まるで国内を移動するかのように、飛行機、電車、車でスムーズに国境を越えられます。
日本人の場合、観光目的なら短期滞在はシェンゲン全体で90日まで認められています。

一方、私のようにフランスの配偶者ビザを持つ長期滞在者は、通常はこの許可をもとにシェンゲン圏内を自由に移動できます。よって、今回の一時帰国のルートで出国審査を受けるのは、フランスではなく、シェンゲン圏外にでるフィンランドとなり、今回、問題になったのは、まさにこの「シェンゲン圏内移動」の解釈のズレでした。


●事件はヘルシンキで起きた

私のフランス滞在の配偶者ビザはすでに失効していて、現在は更新中です。

詳細はこちら↪ まさかの“ゲームオーバー”?フランス配偶者ビザ更新に新たな壁

そのため、フランス政府から発行された仮の滞在許可証(Recépissé)を所持していました。

このRecépisséには、最下部に はっきりと太字

「Ce document autorise le franchissement des frontières de l’espace Schengen(この文書はシェンゲン圏の国境越えを許可する)」

と記載されています。


ところが、ヘルシンキ国際空港の国境警備担当官から信じられない言葉を告げられました。

👨「EU居住カードは持ってないのか?この書類はフランス語で、俺は書いてあることが理解できないから、フィンランドでは有効ではない」

👨「今回は特例として日本への出国を許可するが、次にフランスへ戻る際は、フィンランド経由を認めない」

👨「フランスへ戻るなら、日本 → フランス直行、もしくはイギリス・非EU圏経由で」

👨「すでに YOU はヨーロッパに一年以上滞在しているため、日本人の短期滞在規定(シェンゲンの90日ルール)は適用されない」

という理由で、まったく話が通じないまま強く突っぱねられてしまいました。

担当官の Supervisor と相談のうえ“今回は特例”として許可されたものの、
「次回は確実にヘルシンキを通れるか保障できない」と言われてしまったのです (@_@)

さらにダメ押しで、👆この記録をパソコン上に記録しておくと告げられました。

いやいやフランス政府発行の公式書類に「シェンゲン通過OK」って書いてありますやん😢
あまりに理不尽で、またもやビザ関連に振り回され、帰国早々心が折れそうになりました。

そんなこんなもあって、ヘルシンキ空港には出発の3時間以上も前に到着していたにも関わらず、搭乗口には BOARDING TIME ギリギリとなり、もう汗だくです。

今、思い返せば、日本に行くフライトが集中し、他の日本人は短期滞在で来ているのに、マコマコだけフランスの配偶者ビザが切れた日本人で、特異に思われたのでしょう。


●緊急対策 ① ―まずは JALに相談

ヘルシンキ空港で起きた一連のことを、さっそく機内のJALキャビンアテンダントさんに相談しました。

すると、「地上係員の方が詳細をご案内できますので、羽田到着後に確認してください」
と丁寧にアドバイスをいただきました。さすが鶴丸!優しい🐤

到着後、預け荷物を受け取る場所にいたJALの地上係員に相談すると、「3階の国際線出発ロビーにあるJALの予約ブース(Fカウンターの出国審査側)へ行ってください」と、これまた丁寧にご案内を受け、

カウンターで事情を説明すると、3名いたスタッフさんたちで何やらコソコソ話、はじめは驚きながらも非常に親身に対応してくださいました。

ポイントは次の通り:

①ビザが失効していても、滞在延長の分かる証明(Recépissé)があれば、通常は問題なく搭乗を認めている。
②日本人は基本的にシェンゲン条約が適用されるため、今回のヘルシンキ側の判断には疑問がある。
③差額(約20,000円)を払えば、東京羽田→パリ直行のJL45便に(妻の分を含めて)フライト変更可能
④このブースで変更すると手数料5,000円がかかるため、「オンラインであれば手数料はかからないので、時間をかけて検討すると良いですよ」と細やかなアドバイスも。

ヘルシンキでの一件以来、不安でいっぱいだった私にとって、この説明は非常に心強いものでした ^^)


●緊急対策 ② ―関係する大使館すべてへ連絡

🛩フライト変更は最終手段としてとっておき、今はやれることをやっていきます。

今回の状況は、フランス・フィンランド・日本の3国が絡む複雑な問題です。
そこで、妻の協力も得ながら、4つの大使館へ“緊急相談”のメールを送りました。

連絡した先は次の通り:

① 在フランス日本国大使館(パリ)
② 在フィンランド日本国大使館(ヘルシンキ)
③ 駐日フランス大使館(東京)
④ 駐日フィンランド大使館(東京)

それぞれへ、Recépissé、旧ビザ、eチケット、ビザ更新の申請書などを添えて状況を丁寧に説明しました。

時差もありましたが、有難いことにすべての大使館からすぐに返信をもらうことができました。

①在フランス日本国大使館
メール送信後すぐに、なんと領事部の方から国際電話をいただき、状況を詳しくヒアリングされ、
「あなたの持つRecépisséは間違いなく有効」と明言。
ヘルシンキの判断は「非常に例外的なケース」との助言をいただきました。また、その際にフランス語で書かれた書類すべてをフィンランド語と英語で翻訳しておくようアドバイスをいただきました。

②在フィンランド日本国大使館
丁寧に事情を確認いただき、「日本のフランス大使館、パリの日本大使館に連絡を取るのが最も有効」と慎重な回答でしたが、色々とアドバイスいただき励まされました。

③駐日フランス大使館
妻がフランス語でメールを送り、「あなたの持つRecépisséは間違いなく有効。このことは航空会社、フィンランドの国境警備隊も知っているはず」と明言。

Il est en effet spécifié que l’attestation de prolongation d’instruction d’une demande de renouvellement de titre de séjour permet à son titulaire de franchir les frontières de l’espace Schengen durant la validité de ce document.
La police aux frontières comme les compagnies aériennes sont au courant de l’application de cette procédure.

④そして最も決定打となったのが、駐日フィンランド大使館からの返答
なんと、ヘルシンキ空港のフィンランド国境警備隊に何が起きたか直接照会した上で“公式回答”が返ってきました。

その内容は、まさに状況を一変させるものでした。

「あなたはフランスからExtended Permit(延長許可、Annex 28.12.2025)を発行されており、これはDビザ(配偶者ビザ)が切れていてもシェンゲン圏への入域を認める書類です。ヘルシンキを通常通り通過できます。なお、Dビザはほぼ“滞在許可証と同等”であり、フランスだけでなくシェンゲン全体で国境通過を正当化するものです。」

「おそらく、あなたがすべての書類を提示しきれなかったため、審査官が誤った判断をした可能性があります。ただし国境での最終判断権は審査官にありますので、書類は万全に。」

日本へ帰国してからの数日は、フランスに戻れるのかという不安と時差ボケであまり眠れませんでしたが、このメールを読んだ瞬間、本当に肩の力が抜け、安堵感を得ることができました。


“国境の解釈違い”を越えて

今回の日本への一時帰国、ヘルシンキ空港で突然告げられた「次回はヘルシンキ経由NG」は、長期滞在者にとってあまりにも重いものでした。

しかし、JALスタッフの助け、在フランス日本国大使館の心強い電話、在フィンランド日本国大使館の丁寧なアドバイス、駐日フランス大使館からのお墨付き、そして駐日フィンランド大使館の国境警備隊に確認済みの正式回答。

これらが積み重なり、ようやくフランスへの帰路について現実的な道筋が見えてきました。

そして、いよいよ帰国の日。
東京国際空港(羽田)からヘルシンキ経由でフランスに戻ります。

うしろにゴジラがいるよ!

フライトは21:55東京羽田発、18時30分頃、フィンランド航空のチェックインカウンターに行くと出発の3時間以上前にも関わらず長蛇の列が・・・。最近は、毎日、満席のようで。
カウンターには「シェンゲン協定加盟国への乗り継ぎに関する重要なお知らせ」と書かれた案内が。今年の5月からルールが変わり、審査がより厳しく、時間がかかるので注意をするよう呼び掛けていました。

羽田空港のチェックインカウンターでは、フィンランド航空のスタッフが、私の持っている書類などを上司の方と入念にチェック。本当に飛行機に乗せても良いか徹底的にチェックされました。

無事にチェックが終わり、「これらの書類があれば搭乗もできますし、入国も大丈夫でしょう!」と言われました👍

そして、午前3時10分、予定よりも1時間ほど早くヘルシンキに到着。
雪交じりの天気で外の気温は氷点下2℃、シェンゲン圏内に入るまで、まだまだ気は抜けません。

いよいよ、こちらがシェンゲン圏内に入る関所、ヘルシンキ国際空港の Border Controlです。

今回は妻が一緒なので心強いです。妻と一緒に審査へ、

担当官には、
2024年6月から、フランスに配偶者ビザ(D)で滞在しているが、今はビザを更新中であること、事前にプリントアウトしておいたフランス語の延長証明とその翻訳、駐日フィンランド大使館からのお墨付メールを見せながら、すべてを説明!

担当官は、ふむふむ、と言った感じで、フランス語の延長証明と翻訳をチェック。
「俺はフランス語が分からないから、この翻訳は助かる!」ポンっと、パスポートにスタンプを押してもらいました。その間、手はぶるぶるに震えていたと思います。

そんなこんなで、無事にシェンゲン圏へ再入域成功。
パリまでのフライトを待つ間の脱力感。飛行機で見る朝陽がまるでお祝いをしてくれているようです🍾本当に良かった!


SNCF(フランス国鉄)の電車が、不審物の影響でまさかの“キャンセル”。

パリに到着しました。
フランスの玄関口 Charles de Gaulle 空港から、Mâcon までは電車を2つ乗り継いでいきます。

パリの外気温は3℃、寒い。車窓からは雪も見え、1か月いなかっただけでこうも違うとは驚いています。
フランス第2の都市Lyon到着後、なんと Mâcon まで向かう電車内に不審物?が見つかったそう。爆発物処理班が対応するそうで、はじめは 10分遅れ → 25分遅れ → 50分遅れ → 1時間10分遅れ、最終的にはキャンセルに (;゚Д゚)

もう、笑うしかないです。
でも、良いのです。マコマコにとっての一番の山はシェンゲン圏内に入ること。

最後までトラブルだらけの帰路でしたが、別の電車に乗り換え、なんとか無事に Mâcon の家へ戻ってくることができました !(^^)!


▼ 今回の一時帰国トラブルの時系列をざっくり

日付 2025年出来事心の声(マコマコ)
2月14日ヘルシンキ経由JAL便を予約「JALでこの値段は買いでしょ!」
10月20日Mâcon からTGVでパリ、そしてフィンランドのヘルシンキへ「久しぶりの一時帰国。ウキウキ、ワクワク」
10月21日フィンランドの出国審査で「帰りはフィンランド経由NG」宣告「え?え?え?(パニック)」
10月21日 機内CAさんへ相談「優しさに泣ける」
日本到着後JAL地上スタッフに相談「最終的にはパリへの直行便だ!」
日本滞在中4つの大使館へ緊急照会メール送信「もう全部に聞こう」
在フランス日本大使館まさかの国際電話で励まされる「心の支え…(涙)」
駐日フィンランド大使館国境警備隊に直接照会 → 再入国OKの明確な回答「このメール、一生忘れない」
11月19日東京羽田からヘルシンキに向けて出発「大丈夫かな……!」
11月20日無事シェンゲン再入域成功「あぁ……よかった……!」
同日フランス国内SNCF 不審物 → 10分遅れ → ・・・ → キャンセル「最後まで波乱ありすぎ」
11月20日無事 Mâcon の家に到着「ただいま〜〜〜!!(全力)」


注意点リスト

今回の経験から、声を大にして言えることはこちら👇

【国境対策 編】
 ✔ Recépisséは“有効でも伝わらなきゃ無効”
  → 英語版の説明書を自作する、出来れば審査を受ける国の言葉も
 ✔ Annex(延長通知)は絶対に印刷して持つ
 ✔ 旧タイトル(滞在許可)はコピーでOKなので持っておく
 ✔ 相手が読めない言語の書類は信用されない
 ✔ 大使館への照会メールは“同じ文面で複数へ”送るべし

【フライト編】
 ✔ 航空会社は搭乗可否のみ。入国判断はしない
 ✔ 経由地によって審査の厳しさは天と地ほど違う
 ✔ 同じシェンゲン圏内でもフィンランドは“めちゃ厳しい”というのを肝に銘じる

【もし同じ状況の方へ】
 ✔ 泣きそうになっても、まずは相談してみる
 ✔ 大使館の返信は“命綱”なので、印刷・PDF保存して持参
 ✔ 空港では深呼吸、そして堂々と説明する
 ✔ 書類は持ちすぎと言われるほど、万全を期して持っておくのが正解


私が今回ここまで動けたのは、空港・航空会社・大使館の方々のサポートがあったからこそ。
これから滞在許可更新中に帰国予定の方が、不安を一つでも減らして旅ができますように、次のページでは、実際に私が大使館へ送ったメールを「コピペで使える形」でまとめておきます。同じ状況の方のお役に立てれば嬉しいです!

最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
フランスにまた戻ってきましたので、引き続き、よろしくお願いします。

À bientôt✋

📝マコマコ