春はもうすぐ 特別な畑での作業 ─ Saint-VéranとVergissonにて

フランス生活

Bonjour!マコマコです。

フランス・ブルゴーニュ地方のワインは、その土地ごとの個性が際立つことで知られています。その特徴を生み出す要因の一つが Climat(クリマ)という概念です。

冬の作業もいよいよクライマックス。今回は、働くDomaineから10kmほど離れSaint-Véran(サン=ヴェラン)Pouilly-Fuissé(プイイ=フュイセ)のClimatに位置づけられる畑で作業をしてきました。

DomaineにあるClimatの地図

Climat(クリマ)とは?

ブルゴーニュ地方における「Climat」とは、特定の区画ごとに異なる土壌や気候条件が組み合わさり、ワインの個性を生み出す概念を指します。クリマはフランスの「*AOC(原産地呼称)」の中でも特に重要視され、2015年には「ブルゴーニュのクリマ」としてユネスコの世界遺産にも登録されました。

*AOC“Appellation d’Origine Contrôlée”(原産地統制呼称) の略で、フランスのワインやチーズなどの農産物に適用される品質保証制度です。これに対し、AOP“Appellation d’Origine Protégée”(原産地保護呼称))は、EU全体で統一された制度です。2009年以降、EUの規則に基づき、AOCはAOPに統合されましたが、フランスでは依然としてAOCの表記が広く使われています。簡単に言うと、AOPはEU基準の広範な認証であり、AOCはその中でもフランス独自の伝統的な基準に基づいた呼称です。

なぜClimatがあるのか?

ブルゴーニュ地方では、古代ローマ時代からブドウ栽培が行われていて、中世には修道士たちが土地ごとの特徴を観察しながら、最適な品種や栽培方法を確立してきました。この長い歴史の中で、同じ村の中でも特定の区画ごとにワインの風味が異なることが明らかになり、それが「Climat」という概念として発展していきました。

ClimatとTerroirの関係

クリマはしばしば「Terroir(テロワール)」という概念と混同されることがありますが、両者には違いがあります。Terroirは、土壌、気候、地形、人間の介入など、ワインの特徴を決定づけるあらゆる要素を包括する概念です。一方で、ClimatはそのTerroirの中でも特定の区画を指し、その土地の微細な違いが反映された区分といえます。

たとえば、同じ村であっても標高の違いや斜面の向き、地下の水はけの具合などが異なると、それぞれのワインに違いが生まれます。これが、ブルゴーニュにおけるClimatの多様性と、ワインの奥深さにつながっています。

Saint-Véranの畑での作業

1日目は、Saint-Véran(サン=ヴェラン)の畑での作業です。以前の記事で書いた Roche de Solutré(ロシュ・ド・ソリュトレ)に行く途中の場所にあります。
とっても良い天気!

9月の Vendanges の時と比べると違いがありますね。

この日は、いつもは単独で仕事をしているそれぞれが大集合!まずは剪定チームがブドウの枝を切っていきます。
私の仕事は、木の支柱のチェックと、いつも通り剪定枝の回収かと思ったら、Big BossのJeanが何やら火をつけています・・・、これは

予感は的中!いつもとは違い、剪定した枝を火をつけた車にどんどん放り込んでいきます。
理由は、Saint-Véranの畑は狭く、さらに急勾配のため、機械を使った作業が困難だからです。また、畑も約20mが20列しかなく、機械の移動は時間もエネルギーも大幅なロスになるからです。

燃えさかる火に加え手押し車は結構重く、危険な作業です。また、フランスでは、畑で火を使う作業には特別な許可が必要です。特に環境保護の観点から規制が厳しく、地方自治体ごとに細かいルールが定められています。Saint-Véranの畑では、適切な許可を得たうえで作業を行いました。

ランチタイム。この日は、ピクニック。おにぎりをつくっていきました。

休憩中も火を止めると、再度の点火が大変なので、なるべく炎を絶やさないようにします。
火が消えそうだとアピールすると、油注入!再度、あっつああつです。

燃えた後の枝は炭となって畑の肥やしとなります。

急勾配の畑で火を扱うのは大変ですが、昔ながらの方法で自然と共に働く経験は非常に貴重でした。
このような作業を通じて、ワインづくりの伝統と現代の規制が交錯するブルゴーニュの魅力を感じることができました。

剪定が終わったチームは、誘引作業に進んでいました。

その間、トンカチを使って 緩くなった 釘を打っていきます。

何とか予定通り、Saint-Véranでの作業を終えることができました。
明日は、Vergissonの畑で作業です。帰りに、Roche de Solutré(ロシュ・ド・ソリュトレ)と夕陽が見える絶景スポットに立ち寄りました。