Bonjour!マコマコです。
2025年も今日から8月。ブドウ畑では季節の節目を告げるように、果実がほんのりと色づき始めました。
そう、Véraison(ヴェレゾン)の始まりです!
私が働いているブルゴーニュ MâconのDomaineでは、白ワイン用品種のChardonnay(シャルドネ)と、赤ワイン用品種のGamay(ガメイ)を栽培しています。
8月に入り、そのどちらにもvéraisonのサインがくっきり。
今回は、「véraisonって何?」「なぜ重要なの?」「これから何をするの?」といったポイントを、畑の今とともにご紹介していきます。
日本は気温40℃を超す地域もあるそうで、地球温暖化ですかね。
在住する Charnay-lès-Mâcon(シャルネ・リ・マコン)の気温は、30℃を超える日はなくなり比較的落ち着いています。

🍇Véraisonとは?ブドウが熟すスタートライン
Véraison(ヴェレゾン)とは、ブドウの果実が成熟に向かって動き出す生理的な変化の始まりを指します。
果実が色づき、見た目も手触りも変化し、内部では糖の蓄積・酸の減少など、劇的なプロセスが進み始めます。
Chardonnay(白ブドウ):果皮がやわらかくなり、黄緑がかってきます。

Gamay(黒ブドウ):緑色の粒が徐々に赤紫色に。これぞワインになる準備。

外見からも「いよいよだな」と感じる変化ですが、実はこれは収穫のカウントダウン開始のサインでもあります。
🌞東向き?西向き?太陽と斜面の関係も重要!
Domaineの畑では、東向きの斜面と西向きの斜面の両方でブドウを育てています。
実はこの「斜面の向き」も、Véraisonの進み方や果実の成熟に大きく関わっています。

☀️東向き斜面の特徴
- 朝日をたっぷり浴びて、早朝から光合成が活発
- 午後の強い日差しや高温を避けられる
- メリット:酸をしっかり保った、繊細でフレッシュな味わいに
- デメリット:成熟がややゆっくりで、天候に左右されやすい面も
🌇西向き斜面の特徴
- 午後から夕方にかけて太陽の熱をたっぷり受ける
- 果実の熟度が進みやすく、糖度が上がりやすい
- メリット:ふくよかで丸みのあるワインに仕上がる傾向
- デメリット:猛暑の年には過熟やストレスのリスクも
同じ品種でも、斜面の向きや土壌、気候などの条件によって味わいやスタイルが変わるというのは、まさにフランス語で言うところの “Terroir(テロワール)”のなせる技。
📝 Terroir(テロワール)とは?
フランス語で「土地・環境・自然条件の個性」を意味し、ブドウの味やワインの表現に影響する要素全体を指す言葉です。
ワインは自然と人の共同作業。その面白さを、こうした日々の観察からも感じます。
🌿Véraison後に待ち構える作業たち
色づいてきた=もう安心、ではありません。むしろここからが本番です!
✔️ 葉の整理(effeuillage)
房まわりの葉を少し取り除いて、風通しと日当たりをよくする作業。病気予防と熟度アップに効果的。
✔️ 病気チェック(特に灰カビやミルデュー)
果皮が柔らかくなってくるので、水分や湿気があるとカビ系が大敵。
✔️ 収穫日の予測開始
これからの気温・天候と照らし合わせながら、熟度チェック(糖度や酸)をしていきます。
※特にGamayは進みが早めなので注意!
🍷Vendanges(ヴァンダンジュ)へのプロローグ
色づく果実を見るたびに、「ああ、もうすぐ収穫の季節が来るな」と思います。
一粒ずつ熟していくブドウの姿は、まるで収穫(Vendanges)の本番に向かう静かな幕開けのよう。
ブドウ畑でこれから始まるドラマの第一章を目にしているのかもしれません。

毎日少しずつ進んでいく色の変化、粒の張り、葉の揺れ——
どれもが「今年のブドウは、どんな表情のワインになるだろう?」と、ワクワクさせてくれます。
8月の陽射しとともに、ブドウの熟成は加速し、この後も、果実の健康状態を守りながら、ベストな収穫タイミングを見極める日々となっていきます。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに♬
À bientôt✋
📝マコマコ